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2017.07.17
その常識のウソ・ホント(2)「浮気の現場に踏み込まれても認めてはいけない?」

その常識のウソ・ホント

世間で、特に男性の間で「浮気はその現場に踏み込まれても、絶対に認めてはいけない」という話がまことしやかにささやかれているようです。しかし、本当に、認めないほうがいいのでしょうか。
その「目的」にもよるのかもしれませんが、目的が何であっても、あるいは少なくとも「夫婦関係を円満におさめるため」ひいては「妻から離婚を突きつけられないため」ということであれば、現場に踏み込まれてもしらを切る、というのは時に非常に危険な選択肢であるようです。

実例からお話しましょう。

絵に描いた大和撫子のような奥様。数年にわたる夫の浮気に悩まされていました。相手の女性は特定の1人の女性で、氏名も妻にはわかっていましたが夫は「仕事関係者」と白を切り通していました。妻はしらばっくれる夫に証拠をつきつけるため、ついにある日、夫の後を自ら尾行し、当該女性の自宅に入る所をデジカメの動画に収めました。
明け方になっても家から出てこない夫。妻は怒りの余り、マンションの2階にあったその女性の家のベランダに外からよじ登り、窓から女性と夫の密会の場に踏み込みました。
そこはまさに浮気の現場。夫はパンツ一丁、女性はベッドの上で裸でシーツにくるまっています。妻がその様子を次々にデジカメの動画でとっていたところ、夫は妻のデジカメをはたき落とし、こう言いました。

「落ち着け!僕は君の誕生日プレゼントにこの体組成計をあげようと思って、いま、この人に頼んで、2人で計測を試していたところだ」

ベランダからよじ登って窓から入るのは住居侵入では?ということはさておき、大和撫子の妻が意を決して2階のベランダによじ登り、万が一落ちたら大怪我をするか、打ち所が悪ければ死んでしまう、という危険を犯してまで夫の浮気を辞めさせたいと思っての冒険を試みた現場での言い訳としてはあまりにもチープではないでしょうか・・・?

この妻は離婚をしたかったわけではなく、単に、夫の浮気をやめさせたかっただけでした。でも、この「言い訳」に心底がっかりし、これが決定打となり、離婚を決意しました。そして妻は財産分与をきっちり2分の1、そして慰謝料をしっかりもらって離婚していきました。

浮気はしないに越したことはありません。でも、万が一浮気をしてしまった場合、その現場に踏み込まれたら、どうしたらいいのでしょうか。経験的に申し上げれば、「土下座して謝る」のがベターな策ではないかと感じております。とある(複数回の)浮気経験者も「やはり土下座が一番だよ」とおっしゃっていました。「土下座で何度も急場をしのいだ」とのことでした。ただ、「何度も」っていうのは、やめておくのが無難ではないかと思うのですが。

(文中、当事者のプライバシー保護のために設定は変更してあります。)